講談社は、自社開発の校正支援システム「ごじとる」に、国産の文章校正特化型AI「wordrabbit」APIを校正エンジンの一つとして組み込んだと公表しました。数千〜数十万文字規模の原稿を対象に、誤字脱字や表記揺れなどを高速かつ高精度で検出し、編集現場の品質向上と生産性向上を図ります。
wordrabbitは、AIスタートアップの株式会社Remediesが開発した、日本語文章の校正に特化したAIモデルです。助詞の誤用や漢字の誤変換、タイプミス、文法の誤りなど出版実務で頻出するエラーをリアルタイムに検知し、修正案を提示します。モデルは国内環境で構築されており、原稿データを海外製の大規模言語モデルに送信せず、入力内容をAI学習に利用しない設計とすることで、機密性の高い原稿でも利用しやすくしています。
AI活用が進む一方で、汎用AIは「間違った指摘」をしがちで、プロの校閲業務を全面的に任せるには課題が残っていました。講談社は、wordrabbitが不要な指摘を抑えつつ毎回安定した結果を出せる点や、校正項目を業務要件に合わせてオン・オフできる柔軟性を評価し採用を決定。100年超の知見を反映した「ごじとる」と組み合わせることで、出版物からウェブ情報に至るまで、同社発の情報全体のブラッシュアップに活用していくとしています。
今後は、出版業界での実運用事例として特化型AIの有効性が検証されることで、マニュアル、営業資料など日本語の品質が重視される他分野にも導入が広がるかが焦点となります。
【サービス情報】
wordrabbit 公式サイト https://wordrabbit.jp/
Remedies 公式サイト https://remedies.jp/
source: PR TIMES
